前回の記事にて速度計について触れましたが、正直なところ速度計はなかなか故障などしません。
しかし、その速度計があてにならない事は、しょっちゅうあります。
【雨天の制動】です。
雨によりレールが濡れていると、制動をすると車輪がレールの上を滑走します。そうなると実際には時速100㌔近く出ていても、速度計は0㌔を示します。
ひどい時には制動開始から駅に停止するまでの間、ずっと時速0㌔を指したままの時もあります。
このような状況では列車の速度の低下や実際の速度を体で感じながら、駅の所定の箇所に停まることができるかを判断しながらブレーキ圧力の加減をしなければなりません。
レールが滑走するということは当然制動距離ものびますので、運転士は制動距離に予期せぬ滑走等を考慮して、雨天時には余裕を持った制動距離を算出します。どれぐらい加算するかは雨量、勾配、列車の車系、乗車率などを考慮します。
ちなみにこのことについても実習生に繰り返し指導いたしますが、雨天時は常に速度計が踊りますので実習生泣かせです。経験がない実習生にとっては雨天は苦難以外の何物でもないと思います…。
実習生はどうしても速度計を頼ってしまうので実際には時速100㌔近く出ていても、制動をかけるとレールが滑走を始めると速度計は80㌔や70㌔、50㌔など気ままな数字を示します。
その数字を確認した実習生は
「あっ、速度が落ちすぎてる!!」となり、ブレーキ圧力を緩めます。
ブレーキ圧力を緩めたとたんに車輪のロックが解除され、速度計は100㌔あたりを示しますw
こうなると実習生は慌ててブレーキ圧力を再度加圧します。これが雨天の制動で苦労するところです。
まぁ実習生に限らず一人前の運転士でも雨天時の運転は疲れます。
機会があれば一度雨天時に速度計を見に来てくださいwww
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